ビザ(査証)は、海外に長期滞在を考えるときに、考えなければならない重要な要素のひとつです。
それぞれの国ごとにルールが異なるビザ(査証)。
今回は、わが家の親子留学先であるマレーシアのビザについてです。
海外移住・留学に必要。ビザ(査証)って何?
査証(さしょう)又はビザ(英: visa、仏: visa、露: Виза、西: visa、中: 签证/簽證)とは、国家が自国民以外に対して、その人物の所持する旅券が有効であり、かつその人物が入国しても差し支えないと示す証書である。
出典元:Wikipedia「査証」より
ビザ発行などの管轄は、
基本的には、各国の移民局(イミグレーション/immigration)です。
ビザの最新情報が知りたい場合には、その国の移民局のサイトなどにアクセスすることが、一番正確な情報の入手方法です。
ビザの要件や必要書類、手続きなど、予告なしで、また頻繁に変更されることが非常に多いのが現実です。
マレーシア。ビザなしで滞在できる?
日本の旅券を所持している場合、マレーシアでビザなしで入国・滞在できるのは、以下の条件の場合です。
【目的】
観光、業務(商談や会議、視察など)、外交・公用
【滞在期間】
90日以内
【必要残余期間】
旅券(パスポート)の残余期間は、入国時に6か月以上残っていること
【未使用査証欄について】
入国時、連続2ページ以上必要
【その他】
入国審査時に、往復旅行券などの出国を証明する書類
などが揃っていることが、条件です。
上記以外の場合、ビザの取得が必要になってきます。
マレーシア留学のためのビザとは?
外国人がマレーシアへ留学する場合、取得可能なビザがいくつかあります。
代表的なものを簡単にまとめてみました。
留学期間 | 学生本人 | 保護者 |
3か月未満 | ビザなしで通学可能 | ビザなしで滞在 |
3か月以上① | Student Pass | Social Visit Pass |
3か月以上② | 親のMM2Hに付帯 ただし、学校による。特にカレッジ等はStudent Passに切り替える必要あり | MM2H |
3か月以上③ | Student Pass または、 Dependent Pass | 就労ビザ |
サマースクールなどの短期留学の場合
留学期間が3ヵ月未満の場合は、原則としてパスポートと往復航空券さえあれば、ビザの取得は不要。
※ただし、ビザがない状態での1年間に滞在可能な日数の上限があるようです。
1年間に複数回この方法で滞在するには、リスクを伴う可能性もあります。
3か月以上の留学。インターナショナルスクール通学のビザは?
母子で親子留学しているわが家が取得しているビザですが、
インターナショナルスクールに通う子どもたちは、学生ビザ(Student Pass)
親である私Reonaは、Social Visit Pass(long term)
が、与えられています。
Social visit passでは、マレーシアでは就労不可です。
※保護者ビザ・ガーディアンビザなどと呼ぶ人もいますが、正確には、マレーシアには保護者ビザ・ガーディアンビザという名称のビザはありません。
ビザ取得の流れはどうだった?
わが家の場合は、ビザの申請は、入学する学校を通じて行いました。
ですから、すべての書類をそろえて、学校へ提出。
あとの工程は、学校の担当者にまかせっきりでした。
最初にマレーシアに来た当初のビザのための必要書類は、
- 生徒のパスポートの全ページコピー(空白ページ含む)
- 生徒の出生証明書(英語)
- 生徒のパスポートサイズの証明写真
- 親のパスポート写真ページのコピー
- 親のパスポートサイズの証明写真
でした。
英語の証明書の入手方法については、こちらも参考にしてみてください。
しかし、その後、更新の際には、
主人の勤め先の雇用証明(英語)
や、
現地医療保険加入(証書のコピー提出)
などと、毎年のように、必要書類が追加されています。
ほかには、
銀行の残高証明(英語)
が必要だった、という話も聞いたことがあります。
各書類の準備には、時間を要するものもあります。
新規の場合は、学校などの指示にそって、早めに書類をそろえましょう。
1年後の更新の際には、個人で申請できるエリアもあるようですが、
私の場合は、更新も学校を通じてやっています。
ビザにかかる手数料は?
新規申請で学校を通じての申請の場合、
学校が申請代行のエージェントを利用している場合が多く、
そのエージェントフィーが加算されていることがあります。
そのため、学校によっても請求される手数料は異なってきます。
参考までに、パスポートに貼付されているビザ・パスの額面をご紹介すると、
スチューデントパス(子)・・・60RM
ソーシャルビジットパス(親)・・・90RM
シングルエントリービザ(親)・・・500RM
※マレーシアにビザなしで入国、その後長期滞在のためのビザに切り替える場合、一度シングルエントリービザを取得する必要ルールのようです。
ただし、料金は親である私のみ、徴収されていました。
Single Entry Visa
This is issued to foreign nationals who require a visa to enter Malaysia mainly for a social visit. It is normally valid for a single entry and for a period of three (3) months from the date of issue.
出典元:マレーシア移民局公式サイト Single Entry Visa
これらのビザ・パスの手数料 + 印紙代 + エージェント手数料
が、ビザ取得にかかわる費用になってきます。
このほかに、現在では、現地の保険加入が義務付けられているため、保険会社に支払うための保険料が別途発生します。
未就学児など他の家族のビザも取得できるの?
Student Passは、基本的には、外国人受け入れを認められている学校に在籍する、6歳以上の生徒が取得できます。
では、生徒の兄弟で、未就学の子どもを連れていく場合はどうなるのでしょうか?
未就学児のビザについては、インターナショナルスクールによって異なります。
生徒と一緒に申請してくれるところもあれば、やってくれないところもあります。
ですから、未就学児の兄弟なども一緒に移住する場合は、事前に入学を希望する学校へ問い合わせておくことが大事です。
また、一部のインターナショナルスクールでは、
6歳未満の子どものためのクラス(プレスクール)があり、3歳くらいから受け入れているところもあります。
そういう学校を探すのも、一つの方法です。
更に、数年前は、子ども一人に対して、大人一人のビザの申請ができていました。
しかし現在は、子どもが複数人いても、保護者は1人分のみの申請が受け付けられています。
家族全員での移住となる場合は、別の種類のビザの検討も必要でしょう。
MM2H (マレーシア・マイ・セカンド・ホーム) プログラム
MM2H((マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)プログラムは、最長10年間の滞在が可能なビザ。
年令によって諸条件が異なっていますが、マレーシアでのロングステイを希望する人に適しているビザのひとつです。
家族全員での移住の方以外に、母子留学の方でも、このプログラムを利用している方もいます。
詳しくは、MM2Hセンターのホームページを参照ください。
(2020年8月現在、MM2Hセンターは担当管轄が移管され、現在制度の見直しということで、新規受付等が一切停止されています。)
カレッジなどの場合の学生ビザは?
カレッジなどの進学の場合、インターナショナルスクールとは異なり、
まず、日本にあるマレーシア大使館で先にシングルエントリーパスを取得してからのマレーシア入国になります。
各手続きや必要書類については、進路先等に相談・確認の上で、進めていく必要があります。
マレーシアでの就労のためのビザっては何がある?
外国人がマレーシアでの就労を考えるならば、期間の長短にかかわらず、就労のためのビザの取得が必要です。就労のためのビザは数種類あります。
就労ビザの種類は
- 雇用パス(EP;Employment Pass)
- プロフェッショナル・ビジット・パス (PVP ; Professional Visit Pass)
- レジデンス・パス(Residence Pass)
- 一時就労パス(就労許可)
などがあります。
それぞれに、最低月額給与や雇用期間など、さまざまな条件があります。
詳細な条件については、マレーシア移民局のサイト、日本貿易振興機構ジェトロのサイトなどを参考にご確認ください。
マレーシア ビザに関する参考サイト
マレーシアのビザに関しては、以下のサイトなどを参考にしてみてください。
在マレーシア日本国大使館
マレーシア移民局
日本貿易振興機構ジェトロ
トップページ>国・地域別>マレーシアのページ内
ビジネスの制度・手続き>外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用
が、分かりやすく、参考になります。
マレーシア政府観光局
MM2Hセンター
マレーシア留学のためのビザに関する注意
わが家が親子留学のために、マレーシアに移住してきてから、約4年。
この間に、ほぼ毎年と言っていいくらい、ビザの要件が頻繁に変化しています。
また、2018年秋頃から、新規のビザの審査に時間がかかっているようです。
ビザの許可が下りるまでには時間がかかる場合があるので、早め早めの行動が不可欠です。
必要書類のチェックなど、申請直前にしっかりと最新情報を再確認するようにしましょう。
なお、今回、マレーシアのビザについてご紹介しましたが、記事掲載時点での話であり、その後、変更されている可能性が大いにあります。記事内容との相違に関しての責任は負いかねますこと、どうぞご注意・ご理解ください。