イギリス式カリキュラムで出てくる、IGCSEって何?
IGCSEのスケジュールはどんな感じ?
英国式インターナショナルスクールの『IGCSE』について、こんな疑問をお持ちのあなたへ。
イギリス系インターで、高学年になると関係してくる『IGCSE』という試験。
でも、日本人にとって、あまりなじみがないんです。
そこで、この記事では、
- IGCSEとは何か
- IGCSEの必要性
- IGCSEの受験前から結果発表までのスケジュール
についてご紹介します。
わたしReonaの子どもたち2人は、
- 1人目が、昨年にIGCSE受験終了
- 2人目は、今年度のIGCSE受験予定でただいま猛(?)勉強中
1人目では、よくわからず、時の流れに身をまかせ・・・という感じ。
ようやく今になって全体の流れがみえてきたんです。
そこで、1人目の経験なども踏まえ、イギリス式インターナショナルスクール必須の試験『IGCSE』についてご紹介。
- セカンダリーに在籍中のお子さんがいる
- イギリス式インターのその後の進路が気になる
- イギリスやイギリス式インターへの入学・転入を検討している
というあなたに、読んで頂きたい記事です。
IGCSE@イギリス系インターナショナルスクールの試験とは?
IGCSEって何なの?
IGCSEは、International General Certificate of Secondary Education(一般中等教育修了試験)を省略した言葉なんだ。
中等教育修了?
中等教育修了というのは、イギリスの義務教育課程の修了(6年+3年+2年)のことだよ。
イギリス国内ではGCSEと呼ばれ、国家資格試験なんだ。
IGCSEは、その国際版にあたるよ。
GCSEやIGCSEについて調べていると、O-level(Ordinary level)っていう言葉も聞くんだけど、これは?
O-levelもGCSEやIGCSEと同等の資格とみなされている試験だよ。
O-levelのカリキュラムは、シンガポールなどで採用されているよ。
日本とイギリスの教育期間は開始の年齢が異なるので、ちょっとわかりにくい・・・。
そこで、セカンダリー(中学部 / Secondary)について、ざっくりと表にまとめてみました。
イギリスの学年 | 年齢 | 日本の学年 | |
Key Stage 3 | Year7 | 11-12 | 小6 |
Year8 | 12-13 | 中1 | |
Year9 | 13-14 | 中2 | |
Key Stage4 | Year10 | 14-15 | 中3 |
Year11 | 15-16 | 高1 |
※インターナショナルスクールでは、生年月日で一律に学年を決める方式(日本)というより、習熟度合をみてふさわしい学年を推奨される場合あり。
また、大学までの教育期間はこちら。
【日本】
小学校(6年)⇒ 中学校(3年)⇒ 高校(3年)⇒ 大学
に対し、
【イギリス】
Primary(6年)⇒ Lower Secndary(3年)⇒ Upper Secondary(2年) ⇒ Foundation(1年)/ pre-University(2年) ⇒ 大学
という流れです。
IGCSEを受験する年齢・学年は?
IGCSEを受験する年齢は?
一般的にIGCSEは、セカンダリーのYear10~11の2年間で学習、Year11の最後に受験するよ。受験時の年齢は、16歳前後というところだね。
でも、年齢の上限はないんだ。社会人になってから受ける人もいるよ。
IGCSE受験は必須?何に使うの?
IGCSEって全員が受けなきゃいけないの?
IGCSEは学歴を公的に証明することができる資格認定試験なんだ。
インターナショナルスクール卒業後、働くにしても、進学するにしても、学歴を証明するときに必要になってくるんだ。
だから、ほとんどの生徒が受験するよ。
IGCSEは進学時の入学資格として必要
インターナショナルスクール卒業後に、進学を希望する学生は、必ずIGCSEの結果が必要になります。
それは、受験システムのため。
例えば、日本の受験システム。
中学3年生が進学希望であれば、高校受験をしますよね。
公立であれば、内申点+当日の試験結果=総合評価 等で合否が決まります。
一方、マレーシアの受験システム。
各校・各自治区で実施される『受験』というシステムがないことが多いのです。
IGCSE・SPM(マレーシアの中等教育修了試験)などの統一試験の結果をもって、入学の可否を問います。
このようなシステムのため、進学を希望する場合にはIGCSEのスコアを持っている必要があるのです。
また、イギリスなどでは、就職の際などにも、GCSE / IGCSEの結果提出も必要な場合も・・・。
つまり、IGCSEは、
- 入学受け入れ要項にIGCSEスコアの提出を必要としている学校への出願
- スコアの提出が必要項目となっている会社等への就職(主にイギリス国内)
などに必要とされます。
IGCSEの結果と進路については、【ケンブリッジ式IGCSE】結果の評価方法の記事でより詳しくご紹介!
IGCSE 受験前から結果発表までのスケジュール
IGCSEの試験は、いくつかの機関によって実施されています。
マレーシアで一番採用されているのが、Cambridge-IGCSE。
イギリスの機関CAIE(Cambridge Assessment International Education)が運営しています。
世界中で実施されている試験であり、国・地域によって、Zone1~6のカテゴリーに分けられています。
日本や韓国、香港、マレーシアなどは、Zone5です。
IGCSEの試験時期
IGCSEは年中いつでも受けられるの?
IGCSEの試験は、地域によって、試験日が決められているよ。
Zone5での試験時期は、年2回。
①5-6月(June series)
②10-11月(November series)
だよ。
年2回あるIGCSEの試験期間ですが、どちらのシリーズで受験するかは、在籍する学校次第。
- 9月始まりのインターナショナルスクールは、Year11の5-6月
- 1月始まりのインターナショナルスクールは、Year11の10-11月
が、一般的な受験時期のパターンです。
選択した教科にもよりますが、多くの人が1か月半から2か月にわたって、教科の試験を受験することになります。
IGCSEの試験日程
試験のスケジュールは学校が決めるの?
試験の日程を決めるのも、CAIEだよ。
教科・ペーパーによって、
日にちと時間帯(午前・午後・夕方)まで決められているんだ。
例えば、学校のホリデー期間であっても、CAIEが決めた試験日であれば、試験は行われます。
ですから、学校の年間スケジュールをみて「長めの休みだ~!」と予定を入れないように!
試験日は変更ができないから。気を付けてくださいね。
IGCSEの試験の流れ
それでも、「事前に休みの予定の目途をたてたい。」というあなたのために。
マレーシアが属するZone5を例に、試験前から試験発表までの流れを以下の表にまとめてみました。
June 2020series | November 2020series | ||
エントリー | エントリー開始 | 2019年10月10日 | 2020年3月31日 |
エントリー締切 | 2020年2月21日 | 2020年8月16日 | |
追加エントリー締切*(1) | 2020年4月17日 | 2020年9月21日 | |
リテイクエントリー締切*(2) | 2020年9月21日 | ||
試験 | 試験期間開始 | 2020年4月下旬 | 2020年10月初旬 |
試験期間終了 | 2020年6月中旬 | 2020年11月中旬 | |
結果 | 試験結果開示*(3) | 2020年8月11日 | 2021年1月中旬 |
結果に関する問合せ締切*(4) | 2020年9月20日 | 2021年2月26日 | |
成績証明書発送*(5) | 2020年10月下旬 | 2021年3月下旬 |
出典元:
【Juneシリーズ】https://www.cambridgeinternational.org/Images/423649-june-2020-series-international-.pdf
【Novemberシリーズ】https://www.cambridgeinternational.org/Images/340823-november-2020-series-international-.pdf
細かい日付に関しては、毎年少しずつ変わります。
このように一覧にしましたが、基本的には、在籍する学校の担当者が手続きを進めていくので、あまり気にする必要はありません。
ただし、個人や外部の試験会場で受験をする場合には、スケジュールチェックは必須!
また、一部の項目*(1)~(5)について、簡単にご紹介。
*(1)追加エントリーとは
締切後に受験科目変更などを希望する場合、追加手数料を払うことで受験登録科目の変更が可能。
*(2)リテイクエントリーとは
2020年6月シリーズでの成績を確認(8月の結果発表)したのちに、再度同じ教科の試験を受け直したいときに利用できる制度。
リテイク(re-take)、リシット(re-sit)と呼ばれる。
*(3)試験結果開示とは
オンライン上で試験結果が開示されます。
サイトへのアクセスには、受験者のID番号やログインパスワードが必要。
*(4)結果に関する問い合わせ
試験結果に納得がいかない場合、採点結果のより詳しい説明や、採点し直し(re-mark)などを依頼することが可能(別途料金必要)。
*(5)成績証明書
一番重要な書類。イギリスCAIE本部から発行される”正式”な成績証明書。
これがないと、外国人である私たちは次の進路先のビザの発行手続きが開始できません。
その詳しい話は別の記事でご紹介予定です。
日本でもIGCSEの受験は可能?
日本でもIGCSEは受験することができるの?
可能だよ。
ブリティッシュカウンシル日本や、
インターナショナルスクールで個人の受験を受け入れてくれる学校で受験することになるよ。
日本でのIGCSEの受験が気になる。そんなあなたは、こちらをチェックしてみてください。
ただし、最新の受け入れ状況は各学校に問い合わせてみるのがよいと思います。
インターナショナルスクールに通わないと、IGCSEは受験できない?
学校に通わないとIGCSEは受験できないの?
個人で教科書や問題集を購入して、独学で対策をして、受験する人もいるよ。
IGCSEの結果でどんな進路の可能性があるの?
IGCSEは、一般中等教育修了試験であり、IGCSEの結果では、いわゆる大学(University)への入学条件として、まだ十分ではありません。
ですから、大学に進学したい場合、IGCSE修了後に、大学入学予備コース(collegeのPre-Universityコース)やファウンデーションコースなどへの進学が必要になります。
IGCSEは世界的にも認められている試験ですから、イギリスだけでなく、アメリカやカナダ、オーストラリアなど、もちろんマレーシアのcollegeへの進学も可能です。
IGCSE後の進路に関しては、【ケンブリッジ式IGCSE】結果の評価方法と進路の記事で、より詳しくご紹介しています。
IGCSEとは?イギリス系インターナショナルスクールの試験まとめ
IGCSEとは、イギリス義務教育修了試験の国際的資格試験です。
Year10・Year11の2年間で学習内容を勉強、Year11の終わりに受験します。
マレーシアを例にすると
- 受験時期:年2回(Juneシリーズ、Novemberシリーズ)
- 試験期間:1か月半~約2か月間
試験日は、イギリスCAIE本部によってZoneごと、世界中ほぼ同時に実施されるように決められています。
そのため、その受験日を逃すと、残念ながら『結果がない。』ということになってしまいます。
試験結果について、疑問等がある場合は、再採点などを申し込める制度や、再試験を受けるという制度もあります。
IGCSEの試験を利用している国は、150か国以上。
つまり、IGCSEの結果をもって進める進路もまた、国際的に広い範囲に存在します。
実際に私のローカル友だちでも、IGCSE修了後に、イギリス・カナダ・アメリカ・オーストラリアなどに進学した人もいます。
今回はざっくりと、IGCSEの全体についてご紹介しました。
日本人にとって認知度の低いIGCSEですが、細かいことを知らないと失敗をしてしまう場合も。
損をしないためにも、引き続き、IGCSEについて語っていきたいと思っています(笑)。