IGCSEに数学が何種類もあるって本当?
どの数学を選択するのがいいのだろう?
とお悩みのあなたへ。
イギリス義務教育課程修了の認定試験であるIGCSEは、イギリス式カリキュラムのインターナショナルスクールに通う高学年の学生とその家族にとっては、とても気になる試験。
わが家の子どもたちも
- 1人目 → IGCSE 2019年Juneシリーズ受験終了
- 2人目 → IGCSE 2020年Juneシリーズ受験予定
と、例にもれず、IGCSEと向き合っています。
この記事を読むことで
- IGCSEにある数学科目の種類
- IGCSEの各数学科目の比較
- IGCSEの数学教科の選び方
について、知ることができます。
- これからIGCSEの科目を選択する必要があるセカンダリー
- イギリス式カリキュラムのインターナショナルスクールに関心がある
あなたに読んで頂きたい記事です。
IGCSEの数学は〇種類ある⁉
IGCSEの数学は、1種類だけなの?
IGCSEの数学では、能力に応じて選べるように、数種類の科目が用意されているんだよ。
イギリス式カリキュラムのIGCSE(イギリス義務教育修了試験)の数学には
- Mathematics
- International Mathematics
- Additional Mathematics(アドマスと呼んでいます)
の3種類があります。
そしてMathematicsやInternational Mathematicsの中は、さらに、
- コア(Core)
- エクステンディッド(Extended)
の2つのカテゴリーに分類されています。
コアとエクステンディッドの違いについては、下記でご紹介しています。
数学ひとつをとっても、5種類の科目があるんです。
IGCSE数学の各科目の比較
IGCSE数学の各科目に難易度の差はあるの?
科目ごとに簡単・難しいってあるの?
子どもたちに過去問をざっくりみてもらい、難易度について聞いてみました。
子どもたちの印象として、難易度は以下の感じ。
- MathematicsとInternational Mathematicsでは、学ぶトピックに大きな差はなく、基礎的内容が中心。
- Additional Mathematicsは別物。トピックも、より難しい内容
という感想。
実際の現場の例として、
わが子たちが通うインターナショナルスクールでは、
- Mathematics
- Additional Mathematics
の2種類のみ開講。
周辺の学校でも、Mathematicsは必ず、Additional Mathematicがあったりなかったり、という学校が多かったです。
ですから、一般的には、International Mathematicsよりは、Mathematicsを各校のIGCSEの必修科目として、学習している学校が多いようです。
IGCSE数学カリキュラム : コア(Core)とエクステンディッド(Extended)の違いとは?
コアとエクステンディッドの違いを教えて!
CoreとExtendedには、大きく異なる点があります。
- 学習範囲
- 試験時間
- 試験結果の評価方法
という3つのポイントです。
CoreとExtendedの学習範囲
教科書は同じものを利用します。ですが、
- コア(Core) → 基礎的内容を中心に
- エクステンディッド (Extended) → 応用範囲を含め
学習します。
CoreとExtendedの試験時間
CoreとExtendedでは実際の試験時間も異なるんです。
Core、Extendedともに、各2種類の試験ペーパーを受験。
Mathematicsを例にしてみると、各ペーパーの試験時間は以下の表の通りです。(2020-2022シラバス参照)
Core | Extended | |
ペーパーの種類 | Paper 1 | Paper 2 |
試験時間 | 1時間 | 1時間30分 |
問題数 | 56問 | 70問 |
Core | Extended | |
ペーパーの種類 | Paper 3 | Paper 4 |
試験時間 | 2時間 | 2時間30分 |
問題数 | 104問 | 130問 |
試験結果の評価方法
これまで説明してきたように、CoreとExtendedでは学習内容も試験内容も異なります。
当然、CoreとExtendedでは、試験結果の評価も異なってきます。
IGCSEの成績については、【ケンブリッジ式IGCSE】結果の評価方法の記事でより詳しくご紹介しています。
ですから、ここではざっくりとご説明。
IGCSEの結果は、基本的には、成績の良い方から順に、A*、A、B、C、D、E、FそしてGまでのグレードに分けられます。
ですが、Coreを選択した教科では、例えば満点を出したとしても、最高評価はCとなります。
【CoreとExtendedの試験結果評価】 | |
Core | C D E F G |
Extended | A* A B C D E |
IGCSEの成績については、【ケンブリッジ式IGCSE】結果の評価方法の記事でより詳しくご紹介!
IGCSEの数学と日本の数学。比較するとどうなる?
わが家は二人ともMathematics、Additionalの2科目の数学を選択しています。
そこで、日本の学校の数学と比べてみてもらいました。
- Mathematics → 中学~高校1年生程度の学習内容程度
- Additional Mathematic →高校3年間の学習内容程度
というイメージが近いようです。
IGCSEの受験年齢は、一般的には、日本でいう中3~高1程度に相当します。
ですが、科目によっては、高1以上の内容も学習することになります。
- MathematicsとInternational Mathematicsに難易度の差はあまりなし
- Mathematics・International Mathematicsは
- コア(基礎)
- エクステンディッド(応用)
の2種類あり、エクステンディッドの方が難易度は高い
- コアとエクステンディッドでは、成績の評価も大きく異なる
- Additional Mathematicsは、さらに高度な数学を学ぶ
IGCSEの数学教科の選び方 どれを選べば失敗なし?
結論から言えば、どの数学でも、次の進路(進学)のために利用することは可能。
特に、Mathematics、International Mathematicsに大きな差はなく、学校がどちらのカリキュラムを採用しているか次第、と言えるでしょう。
Coreにするのか、Extendedにするのか
これは、学生本人の力次第、とも言えます。
ですが、おすすめはExtended。
日本の義務教育で学ぶものよりも、やや簡単な内容と思われるからです。
日本の数学教育をもとに、数学の考え方について基礎を積み上げておけば、容易に解ける問題のレベルです。
日本の数学でもちょっと心配が残る・・・というような場合は、通信教育などを利用して理解を深めることで、より良い成績を修めるチャンスを手にすることができますよ。
アドマス(Additional mathematics)はとる?とらない?
アドマスについては、MathematicsのExtendedについていける力が基本的には必要です。
Extendedを踏まえた上での学習項目も多いからです。
ただし・・・ここで重要なポイント!
この確認が必要です。
このコースに行きたかったのに、アドマス取ってなかったから、そのコースをあきらめた or その学校をあきらめた
という先輩もいました。
このような失敗をしないために、どうしても希望の進路先がある場合は、念入りに事前に調査をしておきましょう。
- Mathematics、International Mathematicsのどちらでもよい。
- でも、CoreとExtendedならExtendedに挑戦するのがおすすめ。
- 日本人で基本的な数学が理解できているなら、より良いスコアが期待できるから。
- アドマスは、希望進路先の入学要項次第。
IGCSE数学 失敗しない選び方とは? まとめ
IGCSEの数学は、必修科目となっているため、避けることができません。
ですが、基礎レベル、応用レベルなど、何種類ものカリキュラムが用意されていて、選択できるようになっています。
そのなかでもおすすめの選択科目は、
- MathematicsのExtended
- Additional Mathematics
の2種類。
- Extendedといっても、日本の数学の学習要項からみれば、基礎的内容に比較的近い
- 将来の進路について、選択肢をたくさん残しておける
という理由からです。
Coreカリキュラムであれば、確実に良い成績をとれるかもしれません。
しかし、どんなに頑張っても、成績は「C」のグレード。
本当の実力はもっと上かもしれないのに、Cまでしかとれないなんて、もったいない!
進路の希望がはっきりしてきたときに、「勉強していなくて失敗した~!」とならないためにも、少しでも上を目指して、チャレンジしてみては?
通信教材などで基礎をしっかりと学ぶ対策をとれば、Mathematics(Extended)も、Additional Mathematicsの試験も攻略可能。
おすすめの通信教材は【Asteria】Z会のオンライン学習
無学年制で効率よく学習を進めることができます。
➡残念ながら、Z会Asteriaでの数学講座が終了予定(2021年2月以降)。
他におすすめできる教材があれば、追記しますね。