IGCSE試験の2020年5・6月シリーズは中止になったけど、成績はどうなる?
成績がでるなら、どんな形になるんだろうか?今後の対応も含め、IGCSE試験について知りたい。
IGCSE試験はイギリス式のカリキュラムを採用して勉強している生徒にとっては、卒業前に受ける重要な資格試験です。
ですが、コロナの影響により、2020年5・6月実施予定だった試験は全世界で中止。
試験の成績結果は、次の進路先の入学要件のひとつで、なくては困るもの。
試験実施機関から対応策として発表されたのは、「Predicted Gradeを付与する」ということでした。
そこで今回は、
- Predicted Gradeって何だろう?
- 2020年夏シリーズのIGCSEの成績のつけ方って?
- Predicted Gradeのメリット・デメリットはあるの?
- 進路への影響はあるの?
- 今後のIGCSE試験対策としてやっておきたいことは?
という疑問にお答えしたいと思います。
2020年秋以降の試験制度がどうなるのか、まだまだ不透明。
もしもの時に備えて、参考にしてみてくださいね。
2020年5・6月のIGCSE試験結果は、Predicted Grade
『Predicted Grade』とは、日本語では『予測成績』という表現が近いでしょう。
本来の試験を受験していた場合に、確実に取得できたであろう成績を想定して、グレード付け。
試験機関がそのグレードを公的証明として与えます。
でも、予測成績ってどうやってつけられるのか、気になりますよね・・・。
2020年IGCSE試験夏シリーズの成績のつけ方とは?
IGCSEの試験実施機関のひとつであるCambridge Assessment International Education(CAIE)発表のグレードをつける手順に関するガイドラインをもとに、簡単に説明します。
- 学校の教員によって、予測される成績を決める
- 学校内において、各教科ごとに順位をつける
- 学校長が①の予測成績と②の順位を最終確認し、CAIEへ送信する
- CAIEが学校からのデータと独自のデータを組み合わせ、最終成績を付与する
という流れになっています。
通常であれば、試験の解答用紙がCAIEの本部に送られ、採点されて、成績が付与されます。
ですが、今回は、学校や試験実施センターなどとCAIEが協力する形で成績を付けていくことになります。
学校での成績のつけ方とは?
学校内で、成績と順位付けをするためのガイドラインもCambridge Assessment International Education(CAIE)から示されています。
【成績の根拠を証明するために使えるものの例】
- 通常の授業での課題
- コースワークでの提出物
- シラバスに関連した課題やプロジェクト
- Mock Test (模擬試験)の結果
- 過去に受けていたIGCSEの成績
- リモートでやった課題(受験者本人が実施していることも証明)
- ベースラインテストと呼ばれる、受験者の潜在能力などを客観的に分析するテストの結果
など
これらの証拠をもとに、担当教科の先生が成績を評価し、校内での順位付けを行います。
また、これらの証拠は、必要に応じて、Cambridgeへ提出することになっています。
わが子の学校では、学校閉鎖中もオンラインでの授業が実施されたため、リモートでも追加で試験をしていました。
その様子は、こちらの記事を参考にしてみてください。
Predicted Gradeのメリット・デメリットは?
Predicted Gradeのメリット
今回、Cambridgeでは初めての試みとなるPredicted Grade。
この評価方式のメリットは、普段からの学習状況をよく知る学校の先生による評価という点です。
本来の試験方式であれば、多くの教科の場合、本番一発勝負のペーパーテストの点数が、そのままグレードになります。
ですが、本番に実力を出し切れる生徒ばかりではありません。
その点、学校の先生であれば、日頃の学習状況を判断材料にしつつ、評価をすることが可能です。
本番の緊張で失敗しやすい生徒にとっては、メリットが大きいでしょう。
Predicted Gradeのデメリット
Predicted Gradeでの評価方式のデメリットは、各学校によって評価判断材料が異なることです。
成績判定の根拠となる証拠類の例はあるものの、その中身は学校それぞれ。
事前の模擬テストですら、難易度は各学校によってかなり異なっているのが現実です。
また、今回の評価方式では、在学生は評価材料がたくさん用意できる一方、再度試験を受けるような一般受験生、特に独学で勉強していた者にとっては、準備しにくい客観的証拠が多く、不利と感じている生徒が多いようです。
学校内での評価=最終成績ではなく、Cambridgeの過去のデータなども加味されるということなので、様々な要因が少しでも修正された上で、評価が出ることを願うばかりです。
IGCSE試験の中止。進学への影響は?
試験機関であるCambridge Assessment International Education(CAIE)が各大学等との話し合いの上、今回のPredicted Gradeも通常の成績と同様、有効な公的証明として高等教育機関で受け入れてもらえている、と発表しています。
今回の評価方式での進学への影響はほぼない、と思われます。
しかし、今回の成績に納得できない受験者は、通常通り、採点し直しや、再受験なども認められています。
とくに、11月シリーズで再受験をする場合には、受験料の優遇が受けられる、ということもすでに発表されています。
今後のIGCSE試験対策としてやっておきたいこと
2020年5・6月のIGCSE試験は、コロナ対策として世界中の学校が閉鎖となっていたために中止されました。
今後のIGCSE試験が従来のものに戻るのかは、世の中の状況次第。
今後のもしもに備え、IGCSE試験対策としてぜひやっておきたいことは、
「日頃からの学校での学習・課題も大切にする」ということ。
本番での試験で実力を出し切るための努力も大切。
ですが、今回のように、本番の試験が中止になってしまうこともあります。
その場合の評価対象となるのは、過去の授業・宿題・課題などへの取り組み方が判断材料の一つとなります。
テストさえ良い点数を取れば・・・ではなく、普段から丁寧に課題をこなすという習慣をつけておきましょう。
いざという時も焦らず、正当な評価を受けられます。
2020年IGCSE試験中止と成績について まとめ
2020年5・6月のIGCSE試験は中止となりましたが、成績は以下のプロセスで、予測成績として付与されます。
- 校内で評価・順位付けののち、提出
- Cambridgeが独自のデータとすり合わせたのちに、グレード付与
校内評価に際しては、
- 過去の授業でやった様々な課題やプロジェクト
- 模擬試験の結果
などをもとに、判定し、またその証拠については、求められればCambridgeに提出することになっています。
予測の成績とはいえ、進学には、従来と変わらない扱いを受けられることを多くの教育機関が表明しています。
これまでであれば、試験本番のテスト成績が自身のグレードになっていましたが、今回は、過去から現在までの自分のやってきたことが評価につながるという判定方法。
今後の試験方式がどうなるかはわかりませんが、普段から真面目に取り組んでおくことが、非常事態にも対応できるのでは、と思います。
本来のIGCSE試験の成績のつけ方については、こちらの記事を参考にしてみてください。